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少しだけご注意を!タニタさんの個人事業主制度

日経ビジネスHPより。(庄司 容子  日経ビジネス記者)

日経ビジネスHPより。庄司 容子  日経ビジネス記者
2017年に個人事業主になった久保彬子氏(左)と武藤有悟氏。社員の枠にとらわれない働き方をしている(写真=2点:竹井 俊晴)

副業の許可ではなく、個人事業主として業務委託へ。
タニタさんの新しい取り組みは、働き方の選択肢が増えるという点で、goodな試み。
果敢なチャレンジを応援していきたいと思います。

ただ、利用する労働者の立場で少し心配な点がありますので、コメントさせて頂きます。

 

それは、「精神疾患で働けなくなったとき」の心配です。

 

タニタさんの制度では、社員時代に会社が払っていた社会保険料と同額は支給しますので、自分で民間保険に入ってくださいとのこと。
ここで注意したいのは、厚生年金、健康保険の保険料と同額を払ったところで、民間の保険では到底同じ保障は受けられないということです。

 

まず健康保険の傷病手当金。
病名や入院、自宅療養をとわず、働けないなら受給できます。

次に、障害年金。

厚生年金なら障害等級3級までが対象で、うつ病や双極性障害などの精神疾患も対象になります。

 

一方、民間の所得補償保険は、そもそも精神疾患を対象外にしていたり、対象にしていたとしても、障害等級2級以上としている例が多いです。
2級とは、日常生活に著しい制限を受ける程度ですので、該当するためのハードルは高くなります。

 

私は、タニタさんの取り組みに反対しているわけではなく、むしろ期待しています。
ただ、選択する労働者の皆さまは、こういったリスクも十分認識したうえで選択していただきたいと思います。

 

ご一読ありがとうございました。