休職期間満了時に、残っている年休は取れないの?
前回のコラムでは、休職期間に入るまえに年休を取れるのかについて書きました。(上のボタンにリンクを貼っています)
今日は、休職期間満了となる直前に、残っている年休を消化できないのかについて考えてみたいと思います。
これも実際に、リワーク出張講義の中で話題に上がった内容です。
①そもそも年休とは?
年休は、労働基準法で規定されている『労働者』の権利です。そのため、勤続年数に応じて付与される年休は労働者が自由に取得でき、その取得には原則会社の許可は必要ありません。
②労働基準法で保護するのは、あくまで「労働者」
労働基準法は、『労働者』の生存権(憲法25条)※の実現が目的に作られたもので、あくまでも「労働者」が保護の対象になっています。
※生存権(憲法25条)
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
③休職とは?
以前もコラムで紹介しましたが、「休職」は解雇が猶予されている期間で、その間の労務の提供が免除されている期間です。
まだ会社とは雇用関係にはありますが、労務の提供がないため、労働基準法上の「労働者」とはいいにくい状態と言えます。
つまり、
①②③を踏まえると、休職期間のうちは、労働基準法上の「労働者」とは言いにくい状態であり、会社が年休取得を許可しないとしても、
残念ながら違法とは言えません。
まとめ
復職後、慣れるまでは休む日がある可能性を考えると、年休は残しておいた方がいいですが、
一方で、残念ながら休職期間満了退職となった場合は、残っている年休は取ることができないままとなってしまいます。
ご自身の状況を踏まえ、判断していく必要があると思います。
ご心配、ご不明点などありましたら、どうぞお気軽にお問合せください。
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