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平成30年度障害者雇用実態調査の結果

平成30年度の障害者雇用実態調査の結果が公表されています。

 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05390.html

 

今回の調査から、「発達障害者」も調査集計をしています。

これは従来ではなかったことです。

多くの問題が読み取れる結果ですのが、中身を見ていきたいと思います。

 

 

①雇用されている障害者の数は?

 

 障害別の被用者数は以下のとおり。

 精神が20万人となり、身体障害の半数まで増加してきました。

 発達障害は約4万人と結構多いですね。

 

 あと、精神ではうつ病が多いかと思っていましたが、

 統合失調症が最多です。

 うつ病の方は、療養をへて一般就労に戻る方が多いのかもしれません。

 

  イ 身体障害者
   ・ 従業員規模5人以上の事業所に雇用されている身体障害者は

     42万3,000人。
   ・ 障害の種類別にみると、肢体不自由が42.0%、

     内部障害が28.1%、聴覚言語障害が11.5%、視覚障害が4.5%。


  ロ 知的障害者
   ・ 従業員規模5人以上の事業所に雇用されている知的障害者は

     18万9,000人。
   ・ 障害の程度別にみると、重度が17.5%、重度以外が74.3%となっている。
  

  ハ 精神障害者
   ・ 従業員規模5人以上の事業所に雇用されている精神障害者は20万人。
   ・ 最も多い疾病は「統合失調症」で31.2%となっている。
 

  ニ 発達障害者
   ・ 従業員規模5人以上の事業所に雇用されている発達障害者は3万9,000人。
   ・ 最も多い疾病は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害」で76.0%となっている。
 

雇用形態
  雇用形態をみると、身体障害者は52.5%、知的障害者は19.8%、精神障害者は25.5%、発達障害者は22.7%が正社員です。

  正社員の比率は、身体障害が圧倒的です。

  精神、発達障害者では、正社員は4人に1人のみ。

  ほとんどがパートやアルバイトということです。残念ながら厳しい現実です。
 
 ③職業
  職業別にみると、身体障害者は事務的職業が32.7%と最も多く、知的障害者は生産工程の職業が37.8%と最多。

  精神障害者はサービスの職業が30.6%と最も多く、発達障害者は販売の職業が39.1%と最も多くなっています。

 

 個人的には、精神や発達障害者の方こそ、サービス業や販売よりも、事務的職業から始めた方が、対人ストレスが低く、望ましいと思っています。

 しかし、現実は、それらの仕事は身体障害者が優先になっている印象です。配慮もしやすいからでしょう・・

 

④賃金

  平成30年5月の平均賃金をみると、身体障害者は21万5千円、知的障害者は11万7千円、精神障害者は12万5千円、発達障害者は12万7千円。

  正社員の比率が多い、身体障害者が圧倒的です。

 

⑤勤続年数
  平均勤続年数をみると、身体障害者は10年2月、知的障害者は7年5月、精神障害者は3年2月、発達障害者は3年4月となっています。

  

  精神、発達障害者は、サービスや販売など、障害上特に不得意な仕事がすることが多く、

  さらに給料も安い状況では、長く働けなくて当然ではないでしょうか。

 

たまに、精神障害者はすぐ辞めるから・・と言う方がいますが、

長く働けないのは、環境に由来する部分もあるのではないでしょうか。

 

 

今日もご一読ありがとうございました。