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退職金ゼロの立場からひと言!老後2000万円問題

老後、年金以外に2000万円必要。
金融庁が作成した資産形成に関する報告書が大変な批判にさらされています。
政府も「不適切」な内容だとして批判側にまわっています。

資料は下記↓
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
「高齢社会における資産形成・管理」
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf


ただ、報告書を読んでみましたが、正直、何でそんなに批判されてるの?と感じました。
退職金ゼロの視点から少し考察してみたいと思います。


◆2000万円不足?報告書はどういうことを言ってるの?
報告書では、高齢夫婦無職世帯を例にして、老後の生活資金を試算しています。
その条件は次のようになっています。

・平均的な世帯収入:約21万円 (ほとんどが老齢年金)
・平均的な世帯支出:約26万円
・4人に1人は95歳まで生存(年金受給期間30年)

これらの条件で試算すると、月々約5万円が不足し、
95歳まで生きたとすると、約2000万円足りないとのこと。
そして、報告書では、この2000万円をiDecoやつみたてNISAなどを活用しながら、
分散、長期の資産運用で確保していきましょう、と勧めています。

 

◆単身の場合はどうなる?
別のデータから、独自に単身の場合を試算してみます。
総務省統計によると、
・高齢単身者の平均年金月額は、107,171円
・平均消費支出は、142,198円

すると、
月当たりの赤字は、約3万5千円。
95歳まで生きたとすると、合計約1,260万円 不足ということになります

総務省統計↓
2017年家計調査報告
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy00.pdf

 

◆そもそも年金だけで不自由なく暮らせる社会ではないと思う
これらの試算は、「平均的な暮らしをするため」に必要な資産を算出しています。
一定の条件のもとで算出したもので、その意味では正しい内容です。

逆に言うと、そもそも年金だけでは「平均的な暮らし」を送るのは不可能ということです。
厳しいですが、これが今の日本の現実です。

その現実を直視してまとめたのが今回の報告書だと思います。


◆退職金ゼロの私の考え
今の保険料水準では、残念ながら、老後に年金だけで不自由なく暮らすことはできません。
もし、年金給付をもっと増やすとなれば、大幅な保険料の値上げが必要になり、それはそれで今の生活がつらくなります。

私は、正社員ではないため退職金がありません。
よって、状況はますます厳しくなります。

報告書で言っているような「資産運用」を、避けては通れません。

批判ではなく、報告書を参考に資産運用を続けていかなくては!
思いをあらたにした次第です。


「長期、分散」を胸に、資産運用がんばります!
今のところは、うまくいっているとは言えないですが・・・


ご一読ありがとうございました。